2011年にドイツで発表されたインダストリー4.0のインパクトは大きく、メリットは大幅なコストダウンの実現でもあり、これからの工業・産業界のありかたを示唆する内容であった。特にIT(情報技術)とOT(運用技術)の融合は、難度が高いもののインダストリー4.0実現への大きな課題項目でもある。

 現在、多くの企業が重要なコストと捉えるセキュリティ対策が、実はITとOTの融合へのカギとなる項目であることを、今一度再認識すべきである。

 そこで本書は、本年2月11日のコンファレンスで実施されたTEPCO IECとマカフィーの対談を収録する。海外で進むITとOTの融合の潮流を踏まえたセキュリティ対策を、メリットを確保してリスクを減らすための「投資」と捉える発想転換の必要性について、事例や解説を展開する。国際標準化への対応も見据えた、重要インフラ現場での高度な制御システムとセキュリティ対策の融合は、日頃知ることの少ない特に貴重な情報でもある。一般企業においても今後の10年先のありかたを考察する資料として、活用いただける内容となっている。