新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、多くの現場において非接触な環境が求められている。これまでの労働力不足に加え、働く現場における非接触化や自動化は最重要課題に浮上した。そんな環境を実現するためのネットワークインフラとして期待されるのが「ローカル5G(第5世代移動通信システム)」である。

ローカル5Gは、「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特徴を持つ5Gを自らの建物や敷地内で利用するための自営の無線通信網のこと。その特徴は、IoT(モノのインターネット)に代表される「モノ」とのコミュニケーションを想定している。つまりローカル5Gは、企業や組織がIoTやAI(人工知能)などを使ってさまざまな業務のスマート化を図るデジタルトランスフォーメーション(DX)のためのネットワークインフラだというわけだ。

日本でも2020年3月から携帯事業会社が5Gサービスを開始し、ローカル5Gの本格導入に向けた実証実験も多数始まっている。本冊子では、これからの現場を支えるネットワーク環境としてローカル5Gの導入を検討する際には必要不可欠な基礎知識を以下の構成でまとめている。

 第1部:「ローカル5G」の“ローカル”が意味するところ
 第2部:ローカル5Gを支える「5G」はIoT時代のネットワーク
 第3部:ここでもあそこでも、幅広い活用が見込めるローカル5G
 第4部:ローカル5Gの始め方〜総務省『導入ガイドライン』を読み解く〜

さまざまな現場が必要とする非接触/自動化などに取り組んでいくためには、ローカル5Gの基本をしっかりと抑えておくことが重要だ。本冊子でローカル5Gの世界への第一歩を踏み出していただきたい。