データは自社のビジネスを躍進させる重要なキーといえる。そもそもデータはビジネスに限らず、電力需要や為替予測などあらゆるジャンルで古くから活用されてきた。かつては現場のスタッフの経験と勘が頼りだったマーケティングや意思決定は、統計学を習得した専門家にデータ分析を委ねる活用に進み、2010年ごろからビックデータの時代へと急速に進化してきた。
いまやAIとデータを最大限に活用することが企業の成功を左右する時代に突入しており、テクノロジーは急速に進化して活用の幅も日々拡大している。潮流を捉え環境・体制を整えた多くの組織がデータ活用に邁進し、市場ではAIとデータを礎とする高度な企業競争が展開されるはずだが、未だその様な状況には到ってはいない。本書『データ戦略策定の4つのベストプラクティス』では「ビジネスリーダーとIT リーダーはデータを最大限に活用できていないと考えている」という事実を挙げ、「94%はすでにあるデータからさらに価値を引き出すべき」と現状を指摘する。
“膨大なデータをどう活用すれば、ビジネス成果を最大化できるのか?”という疑問や悩みは、データに活路を見いだしたい企業が持つ共通の課題といえるだろう。この課題を解消すべく本書では、基盤とする信頼できる質の高いデータの重要性を説くとともに、起点となる組織におけるデータ戦略の重要性について詳細に言及する。ビジネス変革を実現する4つのステップ「データ戦略」「ガバナンス」「AI導入」「カルチャー構築」を具体的に解説し、成果を出すための実践的な道筋を提示する。各ステップは、さらに詳細に図版や調査データを交えてポイントを分類してわかりやすく整理されており、すぐに実務に活かすことができる明確な内容となっている。遠からず企業ビジネスの主戦場はより深く“AIとデータ”へと移行していく。データを未来への武器に変える契機として、本書をぜひご活用いただきたい。