第4次産業革命やデジタルトランスフォーメーション(DX)といったキーワードが盛んに取り上げられ、あらゆる業種・業態の企業がデータ活用を求められている。そうしたなか、国内の製造業からは、具体的な取り組みや成果が聞こえてこない。

実際、経済産業省がまとめた『2018年版ものづくり白書』によると、約7割の企業は生産プロセスにおいて何らかのデータ収集を行っているものの、収集したデータを生産プロセスの改善に役立てている企業は、わずか2~3割に過ぎないという結果が出ているのだ。

データ活用に着手できない最大の原因は、日本の製造業に見られる「現場が強く、本社のガバナンスが効きにくい」という企業風土にある。この企業風土により、業務システムは部署ごとに構築され、データ管理も部署ごとに分断されているケースが多いのだ。どんなに価値あるデータを保有していても、企業全体で共有されていなければ活用しようがない。

この状況を踏まえ、企業がデータ活用を促進するにはどうすればよいか。部署間の垣根をなくし、業務プロセスを見直して、システム統合をすることだろうか。それが現実解でないことは、誰の目にも明らかだ。業務プロセスを定期的に見直すことは重要だが、ドラスティックな改革は現場を混乱させ、生産性を低下させかねない。ましてや、全社的なシステム統合ともなれば、それにかかるコストと時間は膨大となる。

本書では、現場への負のインパクトを最小限に抑えつつ、社内に散在するデータを一元管理し、共有するためのデータ管理基盤のあり方について解説する。製造業にとどまらず、増え続けるデータの管理に手を焼いている企業の担当者は必読の書と言えるだろう。