スタンドアローンから始まったコンピューティングはテクノロジーの進化とコモディティ化を繰り返し、インフラの整備・普及が加わることで、現在のITへと新たな領域を拓いてきた。現代のビジネスすべてにおいてITは企業活動の要点であることは疑う余地のない事実でありである。

 

テクノロジーは進化し続けるが、世界規模で拡散する新型コロナウイルスの影響は大きく、市場の再編は定住することなく続いている。企業によってはなだらかであったIT活用への取り組みは、状況の劇的変化によってリモートワークの導入運用を要し、変化方向の不透明さの中では迅速かつ適正な判断が難しいが、データがあらゆる場面で判断を支援するデータ活用へと急速に昇華させた。リモートワーク、自動化、オブザーバビリティ、クラウドなどによる機会の増加と導入は加速し、世界中でビジネスとITの関係性は、否応なしにデータの時代へと突入したといえる。データの時代にユーザーの要求も変容し、基本的なシステムの保守を主軸としていたITチームであっても新たな変化無くしては存在意義すら危ぶまれだろう。チームをいかに進化させるか? ITリーダーの指針が強く問われる。

 

本書は、「2021年の予測 IT運用編」と題し、データの時代にITチームの進むべき方向を市場分析による予測とともに戦略を提言する。ITチームを戦略的パートナーへと進化させることを主眼に「CIOの優先事項」「自動化」「オブザービリティ」「リモートワーク」「クラウド」「DevOps」の6つキーワードを切り口に課題を顕在化させ、予測とともにテクニカルに偏ることなくチームでの実践の提言を展開する。本書内ではITは実用性のみを提供するというマインドセットを「今日の世界では通用しない」と切り捨て、ITチームのサービス指向へのマインドセットへの転換を強く推奨される。巷では局所における最新のテクノロジーへ推奨や総花的な変革ばかりが近視眼的に強く訴求される論調も多いが、本書はITチームのマインドセットという持続性の高い論題を取り上げている。ビジネスチームの先を行くITチームの牽引は、大局的に企業組織の発展大きく寄与するといえるのではないだろうか。データの時代と対峙するITリーダーにとって必読であり、ITに関わる多くのビジネスパーソンにもぜひご一読いただきたい内容となっている。