企業改革や働き方改革が標榜されて久しく、DXへの取り組みを企業成長の要所とした理解が深まってきている。過去には2020年に予定された東京オリンピックの開催期間をターゲットとしたリモートワークへの取り組みが政府によって推奨されていたが、残念ながらリモートワークの裾野はあまり拡大することはなかった。

 

しかし新型コロナウイルスの感染拡大によって事態は一変した。緊急事態宣言が発令され2020年の東京オリンピックは延期となり、多くの企業はリモートワークの環境整備を迫られた。以降、現在に至るまで人流を抑制すべくリモートワークを継続する企業も少なくはない。まさに実質的な変革期を迎え、顧客の消費動向やニーズも激変し、顧客の期待に応える施策なくしては企業成長は期待できない。企業はリモートワーク運用の安全を大前提とした上で、DXも同時に推進してこそニューノーマル時代を邁進することができるのではないだろうか。

 

本書は、金融サービスを展開するイオンクレジットサービス株式会社(以下:イオンクレジット)におけるリモートワーク導入事例をレポートする。イオンクレジットはセキュリティを鑑みリモートワーク環境の実現を長年の課題として抱えていたが、社会変化を契機に「VMware Horizon Cloud on Azure」によって安全性と利便性の両立したリモートワーク環境を実現し、DaaS(Desktop as a Service)化によって基本的に端末はシンクライアントとなり情報漏洩などのリスクは低減された。また他のクラウドサービスと異なり、Azureの準拠法は日本の法律、管轄裁判所は東京地方裁判所となることも、国内最大級の会員数を誇る同社が信頼を寄せる一因かと推察される。オンプレミスVDIからの脱却によって得た効果は大きく、「イオンウォレット」などに代表されるデジタル顧客サービスの充実はDXが推進されている証左といえよう。好事例としてご一読をおすすめする。