ここで紹介する資料には、表紙をはじめ要所要所にヨットを操船するクルーの写真があしらわれている。時々刻々と変化する風や波の状況を全員一丸となって見極め、一人ひとりが自分の役割を確実に果たすことで、安全で合理的な航行が実現することを象徴したものだ。それは、企業が顧客に最適なエクスペリエンスを届けるシーンにもぴったりと当てはまる。

 

顧客に関する情報を皆が共有し、関係者がスムースにプロセスをつなぎながら、最適かつ豊かなサービスとして価値を提供する。もちろん、コンプライアンス等の遵守は絶対条件だ。まさにチームが一枚岩にならなければ達成は難しい。もっとも、現実には幾つもの壁に直面するケースが少なくない。最大の障害はレガシーシステムの乱立であり、データやプロセスが部分最適になっているために、歯車がうまく噛み合わないのだ。

 

どうすれば問題を抜本的に解決できるのか。「何よりも組織には、さまざまなリーダーや部門をすべてつないでまとめるための信頼できる唯一の情報源が必要」との主張を軸に、さらに深堀りしながら悩めるビジネスパーソンに解を示しているのが本書だ。デジタルの海を順風満帆で突き進みたいリーダーに一読をお勧めする。