2022年11月に米OpenAIがリリースした対話型の生成AI「ChatGPT」はビジネスシーンに絶大なインパクトをもたらした。本書では生成AIをはじめ、AI技術を早期に導入した企業事例をピックアップ。差別化へ向けた取り組みの“今”を詳細にレポートしている。

ある国内最大手金融機関では、顧客データの利活用を推進する傍ら、生成AIの導入に向けた実証実験をスタート。文章要約機能による資料作成、プログラミングに不慣れな従業員向けのコード生成機能などを中心に利用が拡大した。また自動車メーカーでは、わずか3人ではじめたAIワーキンググループの活動が、全社レベルでのAI技術研修実施にまで至ったという。

業務改善や効率化はもとより、事業の拡張や成長へ向けて生成系のAIがどのように活用できるかを探る試みは、まだ始まったばかりだ。そうした中で、いちはやくCXや生産性の向上を実現する“次の一手”として業務に組み込むことで見えてきたものを各社事例は伝えてくれている。そうした点からも、本書は「自社業務へのAI活用はどうあるべきなのか」、そして「どのように活用することができるのか」を見つめ直す好資料となってくれるに違いない。AIの利活用を摸索している現場担当者はもとより、経営層にも広くご一読いただきたい1冊だ。