今日のビジネスシーンにおいて、データは単なる情報の蓄積ではなく、競争優位性を生み出す“最重要資産”であることは明白だ。不確実性が増す市場環境において、勘や経験に頼る経営から脱却し、リアルタイムなデータに基づいて迅速かつ的確な意思決定を下す“データドリブン経営”は、もはや企業の存続に欠かせない戦略的基盤となっている。全社的な視点でデータを統合し、それを価値に変える仕組みを構築できるかどうかが、企業成長を大きく左右する時代といえる。

 

しかし多くの現場では、描いた理想とは裏腹に深刻なデータのサイロ化に直面する。必要なデータが各部門のシステムに散在し、その所在や正誤の確認だけで多大な時間を費やすケースも散見される。また、新たなデータ活用を試みるも、基盤の拡張性に限界が立ちはだかり、データ集約の工数やコストがボトルネックとなったりすることで、現場の熱意がシステム的な制約によって削がれてしまうという課題が常態化してしまう。

 

こうした課題に対して本書は、NECがいかにして全社データ活用基盤「One NEC Data プラットフォーム」を構築し、変革を遂げたのかを詳述する。同社はAIデータクラウド「Snowflake」を採用することで、既存基盤が抱えていた時間・コスト・拡張性の課題を劇的に解消する。管理負荷を最小化する「ニアゼロメンテナンス」や、他部門に干渉せず分析を行える仮想ウェアハウスの活用により、現場主導のデータ活用文化が醸成される 。そして、自社を最初の顧客とし、その過程で得た活きた経験をリファレンスとして提供する「クライアントゼロ」の考えに基づき 、Snowflakeに留まらず構築・運用支援サービス、データ活用基盤の設計支援など経験に裏打ちされたべストプラクティスを提供する。本書は、データ活用に向き合うすべてのビジネスリーダーにとって貴重な内容となっており、実践的なガイドとして是非ご活用いただきたい。