生成AIを顧客対応に活用したい。そう考える企業は増えているが、誤回答や回答根拠の不明確さ、ナレッジ更新の負荷などにより、PoCで止まってしまうケースも少なくない。実用的で現場に定着する仕組みはどうすれば築けるのか?──これに分かりやすく答えているのが本書だ。

 

「迅速で一貫性のある回答体験」を念頭にテクノロジーの適用を考察。問い合わせ理解の自動化や回答作成の高速化、ナレッジ探索の代替といった観点で生成AIの活用は必須としながら、より正確な回答を導くうえで「企業のナレッジ」を検索・参照するRAG(検索拡張生成)が重要な役目を果たすと説く。さらに、業務の実態に即して、継続的に修正・改善を繰り返していくためにノーコードによる開発が適するとしている。

 

技術一辺倒ではなく、「業務として回るかどうか」といった実効的なポイントを十分に考慮しているのが特徴だ。また、導入効果を測るKPI設計にもページを割いている。全体を通して「いかにして新しい仕組みを定着させ、業務改革の価値を最大化させるか」を追求している点がとても参考になる良書だ。