今日のコロナ禍における世界規模での状況を鑑みると、ヒト・モノの動きは制約を受けグローバルサプライチェーンの維持継続が難しくなってきているが、IT進化の恩恵から幸いにも情報の流通は制約を受けてはいない。しかし外国語の壁は高く、多くの企業では外部の翻訳機関や各種翻訳ツールを使うことになる。また、仮に専業ではない語学堪能な社員に依頼し片手間で翻訳をさせているのであれば、専門用語についての理解不足などがクオリティの不安定さを招き、何よりも本業の生産性を低下させる愚行ではないだろうか?

読者諸氏の多くは業務で有料無料にかかわらず自動翻訳サービスの利用経験があると思われるが、日本語の不自然さ、専門用語の不適切さに“使えない”と感じてはいないだろうか? 大多数の自動翻訳は海外ベンダーによって運用されているために、グローバルではニッチとされる日本語に関しては開発要件も少なく成熟度がかなり低い事情がある。とはいえ外部の翻訳機関を利用するにはコストとスピードと、業界を熟知していないため精度にも不安が残る。

本書で取り上げる最新AI自動翻訳は100以上の言語に対応し、ディープラーニングにより研鑽を積み2000分野にも及ぶ専門用語を理解する。なによりも国内民間企業唯一のAI翻訳ベンダーによって日本語に特化して開発されている優位性があり、オンラインで提供される言語認識と理解の能力は高い。WordやExcel、PowerPointなどのドキュメントをレイアウトを保ったまま翻訳できる「T-400」が資料作成の効率を飛躍的に向上させる。また会議音声のリアルタイムAI翻訳ツール「オンヤク」ならリモートワークで急増したWeb会議で字幕・文字起こしで他言語対応し、国際オンライン会議の成果が加速度的に高まるので、ご自分のビジネス領域での専門用語の自動翻訳に懐疑的な人にこそ本書のご一読をおすすめしたい内容となっている。