総務や人事、法務など間接部門が日々行っていることを例にとれば分かりやすいように、社内の多くの業務は実は「従業員に対するサービス」として捉えることができる。もっと言えば、経営や事業遂行は細かいサービスの連携や集合として成り立っていると見ることもできるだろう。
昨今、顧客向けのサービスではエクスペリエンス(=体験価値)の向上に各社が凌ぎを削っているが、片や社内に目を転じると“置き去り”にされている現実に直面する。各業務は部署ごとの都合が優先されて全体としての共通性が乏しく、従業員は申請方法を都度調べたり、進捗が見えぬまま待たされたりといったことが日常茶飯事。フラストレーションがたまる一方となれば、組織全体の生産性の観点でも、優秀な人材のリテンションの観点でも、明るい材料がない。今すぐ、改革に向けたアクションを起こすべきだ。
では、どんなことを念頭に置いて臨めばいいのか。その具体策をガイドするのが本資料だ。実はITの分野では、利用者のニーズに最適なサービスを提供するための活動全般を体系化した「ITSM」というベストプラクティスがある。この原則と機能を他のビジネス分野で活用しようというのが「エンタープライズサービスマネジメント」であり、事業運営と業績を向上させる戦略的アプローチとして注目されている。従業員へのサポートを充実させるエッセンスを分かりやすく解説した内容は、実践のための示唆に富んでいる。