新型コロナウイルスの猛威は未だ終焉が見えてこないが、ビジネスを含めて様々な変化の契機となった。変化はマイナス面も多くあるが、プラスな側面も確実に存在する。ビジネスシーンにおける最大の変化は、国内企業のリモートワーク本格稼働だろう。

当初は混乱の中で始まったリモートワークだったが、 現在は定着し多くの企業がハイブリッドワークを選択している。かつて出社を前提として行われていた業務はリモートワークになると非効率が顕在化し、これを契機に業務プロセスの把握・見直しやシステム基盤の再構築に進む組織も増えてきた。しかし場所を問わない業務を成立させるには、根底に通信の安定と安全が確立されなければならない。読者諸氏の所属する企業においても何らかのセキュリティ対策が採られているはずだが、管理・運用やエンドユーザーの利便性、さらには潜在的なセキュリティリスクを含めた対策に継続性はあるだろうか?

今日、従来の境界型防衛は意味をなさず業務でPC以外のデバイスの活用も増えた。本書では、新たなセキュリティモデルとして注目される「ゼロトラストネットワークアクセス」の実現についてガイドする。リモートワークが導入拡大された当初では、VPNを活用して社外からのアクセスを成立させる組織も見られた。本書では、従来型のVPNの危険性・欠点を指摘するとともに、オンプレミスとクラウドが複雑に絡み合う複雑なシステム基盤など、クリアすべき要件を整理する。ゼロトラストネットワークアクセス実現の具体的な手立てとして、クラウド型ソリューション「Jamf Private Access」を機能とともに紹介する。セキュリティ対策の維持継続力が業務の根幹を支え、企業成長の道を拓いていくだろう。業務効率化の好機と捉え、新たな取り組みを開始するのも重要だが、本書をご一読いただき根幹を今一度点検されることをおすすめする。