世界的な景気後退やウクライナ侵略などの影響と変化は大きく、日本国内にあってもネガティブで予測不能な現実に置かれているといえるだろう。今日は複数の外因が複雑に連鎖する激動の時代であることに疑いの余地はない。

 

ただ、一時のインパクトを単にじっと堪え忍ぶというのはビジネスのあるべき姿とは言い難い。リモートワークが定着したようにテクノロジーを活用することによって、抗うのではなく変化を受け入れることで社会は持続性を帯びている。企業の変化、生活の変化はあらゆるビジネスだけでなく、雇用などにも影響を及ぼしており、不確実な世界であってもテクノロジーが重要なことは確かであろう。

 

過去にも、サブプライム住宅ローン、リーマンショック、ITバブル崩壊、自然災害など枚挙に暇がないほどあらゆる出来事に翻弄され続けてきた。世界が不確実であることは今に始まったことではなく、不測な事態が勃発するなかで人類は綿々と歩み続けている。

 

本書「リーダシップとエマージングテクノロジー」は、データプラットフォームを世界に提供するSplunk社による2023年の予測を収録する。テクノロジーがあらゆる活動に深く関わるのは読者諸氏も理解される事柄であるが、データドリブンやDXのトレンドがどのように発展していくか、核となる技術進化など整理もつきづらくやや漠然としているのではないだろうか。本書では、データとテクノロジーに精通するSplunk社の経営層、各分野のリーダ一層16名の知見に基づき、13項目に及ぶ現実を捉えた予測と戦略を展開する。経済動向、雇用傾向の現状の分析からAI/機械学習やブロックチェーンの活用拡大、 メタバース、 量子コンピューティングなどエマージングテクノロジー (新興技術) に至るまで、深い洞察を以て不確実な世界とテクノロジー関わりを多角的に整理される充実した内容となっている。激動の時代にリーダシップを発揮すべきビジネスリーダー、 ITリーダー諸氏のご一読を強く推奨する。