ECサイトやニュースサイトの閲覧時に、おススメの商品や記事を提案してくれる「レコメンド」機能。これが今、怒濤の進化を果たしていることをご存知だろうか? その立役者はズバリ、AIである。

 

これまでのレコメンド機能といえば、商品の類似性や購入者の大まかな属性(年代など)を判定条件としたものが一般的だった。しかし、ある年齢層の中でも人によって趣味嗜好は当然異なるわけで、例えば30代の男性といっても一括りにできるものでないことは、言うまでもない。実際の顧客アプローチは千変万化。小売店のベテラン店員であれば、来店客が今まさに着ている服を参考に、おすすめする商品を変えて臨機応変に接客を進めることだろう。お客様一人ひとりに最適化した、いわゆる「1 to 1」のレコメンドをデジタルでも実現すること。それを今AIが支えるようになってきているという。

 

本書では、こうしたAIレコメンドの最新事情と実態について、いち早く着手・対応した5社の事例をもとに解説している。サイト訪問者の途中離脱が減って回遊率がアップしたり、コンバージョン数や金額が直接的に向上したという具体例の数々は、「AIが売上の2割を作り出す時代」になってきているとの指摘とともに、CXの向上も含め、非常に示唆に富む内容となっている。これらの取り組みからは、複雑化を増す昨今のニーズをいかに把握していくか、という課題にいかに対応していくべきか、という問いへのヒントも見つけ出していただけることだろう。レコメンド機能の刷新・新規導入を検討中の担当者はもとより、Webサイトの運営を担うすべての人に、ぜひご一読をおすすめしたい。