生成AI(人工知能)技術を活用する取り組みがビジネスのあらゆる領域で活発化している。なかでも注目を集めるのがCX(顧客体験)の向上につながる領域での活用だ。顧客対応など人が担う業務が多いCX領域は生成AIとの相性が良くないと思われがちだが、コンタクトセンターにおけるオペレーター支援や、チャットボットやFAQによる顧客への回答精度の向上などで、生成AIはすでに多くの実績を上げている。

 

例えばAIチャットボットに生成AI技術を適用すれば、汎用的な問い合わせ対応だけでなく、自社内に蓄積されたナレッジやノウハウを組み込み、より正確で顧客の質問の意図を正しく理解した回答を返せるようになる。また、コンタクトセンターではオペレーターが参照するデータになるVoC(顧客の声)の獲得・構築が容易になる。なぜなら電話で受けた顧客の音声を高い精度で認識しテキストデータ化できるからだ。

 

本書では生成AIを活かしたユースケース、生成AIを利用するメリットと課題、コンタクトセンターにおけるクラウドサービスの導入事例などを紹介している。CX領域における最新の生成AI活用状況を把握し、VoCをCXの向上、ひいては企業成長へとつなげるヒントをぜひつかんでほしい。