プログラミングの世界は今、大きな転換点を迎えている。生成AIの台頭により、ソフトウェア開発エンジニアの働き方が根本から変わりつつある。実際に、世界の開発現場では、ChatGPT、GitHub Copilot、Geminiといった生成AIツールの活用が当たり前になっている。しかし、日本の多くの開発現場ではまだ、これらのツールの導入が進んでいない。従来のやり方に固執し、新しい技術の波に乗り遅れている。

本書「エンジニアなら知っておきたい生成AIのキホン」は、変革期を生き抜くための実践的なガイドブックであり、生成AIをソフトウェア開発のあらゆる場面で活用する方法を具体的に解説している。コードの生成にとどまらず、アルゴリズムの提案、フローチャートの作成、コードのレビュー、リファクタリング、バグの発見と修正、テストケースの作成、ドキュメントの自動生成など、開発プロセス全体をカバーする生成AIの活用方法を、豊富な実例とともに紹介している。例えば、「請求締め処理」を題材にしたプロンプトと出力など、すぐに使える実践的な知識が詰まっている。

本書の重要なメッセージは、生成AIはエンジニアの仕事を奪う脅威ではなく、むしろエンジニアの生産性を向上させる便利な道具であるということ。AIを上手に活用すれば、単調な作業から解放され、より創造的な課題に時間を使えるようになる。これからのエンジニアは二極化する。従来のやり方に固執し、変化を恐れるエンジニアは、生成AIによって仕事を奪われる。一方、生成AIを自らの強力な武器として活用できるエンジニアは、活躍の場が大きく広がる。本書は、生成AIという味方を得てプログラミングの新たな地平を切り開くための入門書となる。