2020年ごろからテレワークの需要は急速に高まり、対応としてノートブックPCを中心に多くの企業が多数のPC調達に奔走した。調達されたこれらのPC資産は導入から5年ほど経過しており、2025年10月にはWindows 10のサポート終了がアナウンスされていることからも、PCの買い替えを検討している組織が多々あるだろう。既存PCの使い勝手とスペックをベースに次期PCを選定ケースが大半かと推察される。しかし今日の企業ITのトレンドを鑑みると、生成AIの爆発的な普及、サイバー攻撃の巧妙化、クラウドコストの増大などといった複合的な課題が山積しており、特にAIについてはより広域に深く業務に浸透していくことが予測される。こうした状況下で注目を集めているのが、AIをクラウドではなくローカルで処理する「AI PC」だ。
ニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を備えたAI PCは、従来型PCにはなかったAI処理性能、データ主権の確保、電力効率の最適化を可能にする。先を見据えるIT戦略を採ればAI PC有効であること間違いないが、実際に導入には“AI PCとは何か”“どのようなユースケースに適するか”など企業全体での知見と考察がなければ成立しない。本書『AI PCとは 導入の場所とタイミング』では、企業のIT戦略を再設計する上で重要となるAI PCの概念・性能・導入について、体系的かつ実務的に解説する。
ITリーダーが理解しておくべきAIアクセラレーションの仕組みから、セキュリティ強化、クラウドとの役割分担、電力効率、さらには具体的な導入ステップやユースケース別の評価ポイントに至るまで多角的に網羅している。権威あるリサーチ機関の最新予測や、HP、Intelといった業界リーダーによる洞察も盛り込まれており、テクノロジー導入の意思決定に必要な視野と裏付けが展開される。本書は“なぜ今、AI PCなのか?”に答える充実の内容となっており、現場のみならず経営層にも広くご一読をおすすめする。