クラウド、マイクロサービス、アジャイル、AI──ビジネスの進化に合わせてITシステムも複雑化の一途をたどっている。にもかかわらず、多くの現場では従来型の「監視」に頼った運用を続け、障害の根本原因を特定できずに時間とコストを浪費している。障害は日常化し、エンジニアは夜間対応や属人的な判断に疲弊する。今、必要なのは「見える化」ではなく「理解する力」だ。

 

オブザーバビリティは、ログやメトリクスだけではとらえきれないシステム全体の挙動と背景をMELT、すなわちMetrics、Events、Logs、Tracesという4種のデータを通じて立体的に把握するアプローチだ。特定のログや応答時間だけを見ていても判断が難しかった「なぜ問題が起きたのか」を明確にでき、IT部門だけでなくビジネス部門との共通認識形成にも役立つ。

 

この資料では、オブザーバビリティの基本的な考え方から、導入時の誤解、運用体制の見直し、ツール選定の注意点までを実践的に整理している。単なるダッシュボード構築にとどまらず、チームを超えた協働や継続的な改善を促す運用フレームワークとしての意義もていねいに解説。定量的な指標によるビジネス貢献の可視化や、開発・運用のサイクル強化といった効果も得られるはずだ。

 

障害対応から解放されるだけではない。観測可能なシステムを構築することは、持続可能なDXの基盤となる。オブザーバビリティという武器を手に、現場の理解力と俊敏性を高める第一歩として、この資料をぜひ活用してほしい。