ITを単なるシステムではなく、顧客に提供するサービスとして捉え、計画から改善までを一貫して管理する「ITSM(ITサービスマネジメント)」。一方で、ネットワーク、サーバー、クラウドといったコンピューティング資源の稼働状況を監視し、効率的に管理・制御する「ITOM(IT運用管理)」。本来、それぞれの取り組みを密に連携させることがビジネスの安定性や持続性につながるのだが、実際にはツールもデータもサイロ化しているケースが少なくない。結果、レスポンス低下など不穏な事象が発生した際の対応がちぐはぐとなり、商機ロスや信頼失墜を招いてしまう。

 

本書はITサービスとIT運用を単一のプラットフォームに統合し、従来から続く事後対応型サイクルと決別する方法を解説したものだ。メリットとして以下の3点を強調する。

・コスト削減と同時に問題を迅速に解決できる
・進化するビジネスニーズに対応してITを拡張できる
・よりレジリエントで魅力的なサービスエクスペリエンスを提供できる

 

プロセスの自動化、コンテキストの把握や可視化、先回りした対策の組み立てなどにAIを積極的に活用しようとの発想が興味深い。ビジネスとデジタルが複雑に絡み合って渾然一体となっている今だからこそ大いに参考になる内容だ。事例も随所に交えてあって具体性に富んでいる。