業種業界問わず、DXは一部の先進企業だけの取り組みではなく、競争力を維持するための経営課題となっている。慢性的な人材不足、AI活用を筆頭とする急速なテクノロジーの進化・変化が続く環境下においても、デジタル技術を的確に導入・配置して業務や事業モデルを変革できるかが、企業の未来を大きく左右する時代を迎えている。

 

しかし、その推進役となるべき情報システム部門の多くは、PCの運用や保守、社内からの問い合わせ対応といった内向きの「守り」の業務に追われているのが実情ではないだろうか。中小企業の情シスを対象とした調査では、8割以上の担当者が問い合わせ対応によって戦略的業務の時間が不足していると回答し、4割以上の企業が1日30件以上の問い合わせに対応しているという結果も出ている。過去と同じ内容の質問に繰り返し答え続ける負担も大きく、多くの企業組織はセキュリティ強化や攻めのDX推進に十分なリソースを割けない状況に陥ってしまっている。

 

本書では、日本企業に蔓延する“停滞”を解消する突破口として、企業PCのTCO(総保有コスト)削減という視点を提示する。企業においてPCのコストは調達時の購入価格にのみ注目されるケースが大半と思われる。本書では、企業成長と経営の見地よりPCコストを大局的に捉え、情シスの対応工数や従業員のトラブル対応時間など、運用段階で発生するコストを踏まえたビジネスPCの選択が提唱される。具体例として「問い合わせ対応工数を削減できる機能」を多数搭載したNECパーソナルコンピュータ製を俎上に載せ、AIチャットアプリによる問い合わせ削減、BIOSからのハードウェア診断、ドライバー更新の自動通知、バッテリー運用の最適化といった機能を紹介するとともに、具体的なTCO削減への貢献を従業員100人規模の企業を想定した金額試算を交えて解説する。現在PCの更新を検討している企業のみならず、情シスのリソースを攻めの業務へ振り向けたいと考える経営層・ITリーダーにとっても、PC調達の判断基準を見直す実用資料として本書のご一読をおすすめする。