デジタル技術によるビジネス変革は、スピードをともなって進化を続けている。そのスピードはさらに加速してきており、今日では業務でのデジタル活用が、企業の価値を左右するほどに重要な存在となっており、事業規模や業種に関わらず重視される範囲も拡大している。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」とされた“デジタルトランスフォーメーション”のコンセプトが2004年に提唱されてからかなりの月日を経たが、その間に“インダストリー4.0”など製造業界に向けたデジタル革命が湧き起こってきた。しかし今日では製造業界以外でもICTやIoTなどのデジタル技術を主軸とした革新は重要な地位を占めている。そこで日本が提唱する“Society 5.0”では、国内の第一次産業も含めた生産性の向上のみならず、各種の課題も含め「社会のありよう」をデジタル革新によって時代に見合った新しい付加価値を創出することにある。言うなれば、全産業において全方向でビジネスが次ステージに進むことを意味しているのではないだろうか。

本書は、各所で推進されるSociety 5.0への取り組み、具体的なテクノロジー解説と課題点を収録する。いかなる産業に身を置こうとも無関心ではいられないほどの大きなムーブメントは既に展開されているし、また時代の潮流は思いのほか速く激しい。企業力・競争力を維持・強化していくためにも、業界業種を問わず広くお勧めできる内容となっている。