個人や組織が、たくさんの候補の中からモノを購入したりサービスを契約したりする際、何が最終的な判断材料になるのだろうか。機能や品質に歴然とした差があるなら別だが、厳しい市場競争の中で各社が商材の強化に凌ぎを削っていることから、顧客には「どれも甲乙つけがたい」と映ることもしばしばだ。結果的に、細かい所に落とし込んだ比較よりも、「いかに自分たちのことを分かってくれているか」が決定打になることは少なくない。気を掛ける行為の積み重ねが信頼感を醸成し、やがて商売上の関係へと結実するのだ。

顧客起点の営業活動が重要な理由がここにある。優秀な営業員ならば、顧客一人ひとりの基本情報に加えて、日頃の会話で知り得た家族構成や趣味、ライフイベントなどを記憶にとどめ、事あるごとに気の利いたアクションを起こして相手に心開いてもらうことだろう。もっとも、全員が全員、この域に達するのは簡単ではなく、しかも営業部門という「組織」として体系立った均質的な動きを具現化するには相応の仕組みが必要だ。中核となるのは、顧客と自社との関わりをすべからく記録・共有すること。表計算ソフトなどでできることは自ずと限界があり、やはり、それ専用に設計された営業支援ツールにはかなわない。

しかも最近は、顧客自身の情報リテラシーが向上の一途をたどっており、人を介した営業接点のみならず、デジタルの仕組みを使った豊かな体験を望む傾向も強まりつつある。つまりは、営業支援ツールも時宜に沿って考え抜かれたものが不可欠ということだ。ここで紹介する資料は、中堅企業の実例に基づきながら、ビジネスの屋台骨である営業活動を最新のデジタルツールがどのように変革し得るかを分かりやすく解説したものだ。単なる顧客情報の共有から一歩踏み出したいと考えているビジネスパーソンに強くお勧めしたい内容になっている。