新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われた近年ほど、ITの恩恵が拡大した時期は存在しないだろう。世界中が影響を受け、企業はビジネスの停滞を回避すべく、ヒト・モノ・カネ・情報の全域で何らかの施策を要したといえる。休業を強いられた業種もあるが、ITの恩恵でビジネスを継続している企業数は計り知れない。
コロナ以前から企業改革が提唱され、クラウド技術の発展が多くの企業に門戸を開いていた。取り組みは企業事情によって異なるが、競争力におけるクラウドの重要性を疑う経営層は皆無といえよう。組織のワークロードすべてをクラウドに移行していた先進企業は、パンデミックにもある程度柔軟に対応し迅速に優位性を確立していた。一方、ミニマムなSaaSの活用等に留まっていた企業であっても、ビジネス継続のために予定の前倒しや、即席でクラウド拡大にシフトしたケースも多い。皮肉ではあるが、パンデミックが世界のデジタル成熟度を一気に底上げしたともいえる。
本書「クラウド導入の基礎ガイド」では、企業が対峙する今日の不確実な現実を多方向から分析し、ビジネスを強化するクラウドへの取り組みを紹介する。企業組織のクラウド活用深度を「調査」「クラウドの導入検討中」「クラウドファースト」の3ステージに分類して課題を抽出し、IT管理ソリューションであるvRealize Cloud Universalを俎上に載せ、ステージごとに課題策を提言する。多くの企業を網羅する未来志向の内容となっており、多くの企業人にが読むべき一冊といえる。また、本書巻末では自社のステージを判定する「ROI計算ツール」についても案内されており、あわせて是非ご活用いただきたい。