これからのITインフラの機動力や安全性を考える上で、あらためて耳目を集めるようになったキーワードが「SASE(Secure Access Service Edge)」だ。本社(あるいはデータセンター)に通信を集約して制御するのではなく、クラウドサービスへの経路上で制御しようとの発想が根底にある。つまり、様々なユーザー(デバイスが)が安全にアプリケーション/サービス/データにアクセスできるように、ネットワークとセキュリティを一元的かつ動的に管理しようとのアプローチと捉えることもできるだろう。

この「ネットワークとセキュリティを…」の部分が肝要だ。SASEというと、ともするとクラウドセキュリティの部分だけにフォーカスしがちだが、ネットワークの動的な制御までを統合しようという考え方がSASEである。その意味でSASEの一翼を担うものとして脚光が当たっているのがSD-WAN(Software Defined-Wide AreaNetwork)にほかならない。

そのSD-WANの最新動向をコンパクトにまとめたのが、ここで紹介する「SD-WAN完全ガイド 2022」である。ネットワークとセキュリティ、すなわち機動力と安全性、あるいは攻めと守りをどのようにバランスさせていくかについて多くのヒントが得られるはずだ。コロナ禍を境に激変したネットワーク周りの常識を知りたいビジネスリーダーに強くお勧めする。