withコロナの時代になり、経済活動のオンラインシフトが進む中、リアル店舗などを含めたCX(Customer Experience:顧客体験)を、どう高めるかが、かつてなく重要になっている。加えて、メーカーが生活者と直接つながるD2Cモデルの広がり、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からのリサイクルといった環境負荷軽減の動きもある。顧客と接点は、これまでの製品/サービスの購入主体から、購入後の利用や破棄、さらには商品購入を伴わないイベントなどへの参加までに広がり、「カスタマージャーニー」は複雑かつ長くなる一方だ。

 

そうしたカスタマージャーニーを把握するために、顧客に関するデータの収集・分析ニーズは自ずと高まり、CDP(Customer Data Platform:顧客データ基盤)の構築・運用が改めて関心を集めている。個人情報やプライバシーの保護の観点から、Cookieなどに代表される第三者が保有する顧客関連データの利用が制限されたことで、自社でデータ収集・分析しなければならないという背景もある。

 

しかし、単に顧客関連データを集めCDPに蓄積するだけではCX向上にはつながらない。CDPの成果を高めるためには、どんなCXを実現したいのか、どんなマーケティング施策を実現するのかなど、データ活用の目的を明確にし、それに合致したCDPを構築・運用する必要がある。

 

本書では、CDPの基礎知識から、CDPを軸にCXや顧客ロイヤルティを高めるためのポイントについて、活用事例を含めながら解説している。データの取得・蓄積に満足することなく、自社にとってのCXのあり方を議論し練り上げてこそCDPの価値が刈り取れる。

 

CXを高めるために以下のような課題を抱えていないだろうか。
・オンラインでの顧客接点を強化したいが、顧客像がつかめない
・新たなカスタマージャーニーを把握・設定したい
・自社で持つ大量の顧客データを活用し切れていない
・CDPを構築したものの期待通りの成果を得られていない

 

これらの課題を抱える経営層をはじめ、CXを高めるためのカスタマージャーニーのストーリーを描くすべての方に、ご一読いただきたい。