場所を問わない働き方を筆頭に、業務の基盤がよりITにシフトした近年において、従業員のモバイルデバイスとノートPCの重要度は高まり、ハードウェアのリプレースも活性化した。当然、システムやアプリケーションがオフィス外と快適に連携することが求められ、熾烈化するセキュリティ攻撃にも耐えうる安全性がなくてはならなくなった。また複雑高度化するクラウド活用など、IT部門が担う要件はますます膨張傾向にある。根本となるデータの保護は最重要項目となり、確実で完璧なバックアップがなくてはすべての前提は崩れてしまう。
しかし急速に変化するIT活用や働き方に、バックアップソリューションやサービスは追従しているだろうか? 近未来の変化にも対応しうるだろうか?
世界中の企業のIT部門では多くの時間と労力を費やし、コストも掛けでバックアップを実施している。本書「バックアップを切り替える5つの理由」では、バックアップに特化して現状抱える課題と潜在する課題を掘り下げ、ソリューションやサービスの建設的な“切り替え”を提言する。提示される調査データでは、時間内に問題なく完了したバックアップは全体の63%しかなく、リストアのジョブやタスク全体のうち33%は正常に実行されていないことを示す。さらに世界各地のITプロフェッショナル1,500人を対象にした質問では実に98%がバックアップの“切り替え”を切望している。
本書ではさらに踏み込み5つの理由に分類し、問題点を分析するとともに「次のバックアップソリューションに期待すべきこと」を提言する。バックアップに伴う長時間作業や実を伴わないバックアップに慣れ過ぎは禁物だ。今や企業活動の体幹を担うIT部門ならば数歩先を読む思索があってしかるべきではないだろうか? 本書の後段にあるチェックリストを含めご一読を強く推奨したい。