優れた商品やサービスであっても消費者に届かなければビジネスは成立しない。マーケティングという言葉が成立する以前から、人類の“商い”はあらゆる工夫を凝らしてきた。至極あたりまえではあるが、伝える・届く・売る仕組みはなくてはならない。

 

マーケティングはビジネスとの年々緊密さを高め、企画・開発段階にも深く関わりも持つようになった。現代マーケティングはデジタルテクノロジーの発展やインターネットの普及により、企業が商品やサービスを顧客に販売するための手法や戦略は刻々と変化している。また単に商品やサービスを売り込むだけではなく、顧客との関係を築き、ブランド価値を高めることも欠かせない。そのため、顧客満足度を高めるためのカスタマージャーニーやクロスセル・アップセルなどの手法も重要になっている。マーケターの実務は企業事情や業種などによっても異なることから、一言で表現することは難しい。しかしアンテナを広く高く持って、社会、人、異業種にいたるまであらゆる動向への理解を深めることこそ、マーケターが備えるべき第一の資質ではないだろうか。

 

本書「デジタルマーケターズサミット 2022 Summer」は、2022年8/30~31にオンラインにて開催された講演を抜粋し、文書化した電子版雑誌版となる。同サミットでは、変化の激しい時代におけるマーケティングを象徴するように様々な切り口でダイナミックなセッションが多数実施された。本書では14のセッションを再編集し、余すところなくマーケティング業界の“今”を130ページ超のボリュームでお伝えする。収録される各テーマのキーワードを一部抜粋すると「ネット炎上」「GA4連携」「著作権、肖像権」「需要予測AI」「ブランドパーパス」「Z世代」等々、テクノロジーや法令など一部の分野に偏ることなく、広くて深いマーケティングの領域を詳らかにする内容となっている。ビジネスには全能な施策も王道もない。CMOやマーケターはもとより、全てのビジネスパーソンに本書のご一読を強く推奨するとともに“今何が動いて”“何をなすべきか”を是非ともご一考いただきたい。