画像、音楽、動画などの大容量コンテンツがWebブラウザーやアプリで素早く表示される。なんのことはない、ごくありふれた体験に見えるかもしれないが、実は「CDN(Contents Delivery Network)」と呼ばれる技術が大きく寄与している。話題のゲームアプリの配信初日など、多くのユーザーが殺到する場面でも安定的にサービスへアクセスできるのはCDNのおかげだと言ってよい。

 

インターネット黎明期から活用され続けているCDNだが、しかし動画配信サービスの普及、巨大SNSの台頭、さらにはコロナ禍によるデジタルサービスの増加などで、求められるスペックが変わってきた。特にアプリ開発者の視点では、応答性が高く、設定をより素早く調整できるCDNが必要とされているという。

 

CDNの歴史、意義、導入事例、そして将来展望までを1冊で学べるのが本書である。ユーザーのためにとにかくサイト表示スピードを向上させたい、サービスのレスポンスを改善させたいと考えているなら、CDNの知識は必須。それこそECサイトでもCDNは利用されている。CDNの新規導入やリプレースの前に是非ご一読を。