質の劣るカスタマーエクスペリエンス(CX)を理由にブランドを乗り換えることがある(69%)、優れたカスタマーサービスを理由にブランドを推奨することがある(84%)──こうした調査結果を見ても明らかなように、顧客起点で考え抜いた体験価値を提供できるか否かが企業の明暗を分かつ世の中だ。さらに、生成AIなどのテクノロジが普及することによって新たな可能性が広がりつつある。

大きな転換点を差し掛かっている今、CXの分野にはどのようなトレンドがあるのか。それを明らかにしているのがこの資料だ。9を超える国と地域、10以上の業界におよぶ約6400人を対象にアンケートを実施し、その結果を多面的に整理しまとめている。現場のプレッシャーやAIへの期待といった「本音」が、グラフで可視化されており、どのページを見ても興味深い。

生成AIなどAIテクノロジの活用はまた緒に就いたばかりだが、どのような領域での効果を期待しているかが深堀りされていて、これから取り組む企業にとっては大いに参考になるだろう。CXを極めていく上で、自社の水準をベンチマークするにも、これからのステップを検討するにも、実用的な好材料が凝縮された良書だ。すべてのビジネスリーダーに一読をお勧めしたい。