アジリティやレスポンスの向上、一貫性と可用性の改善、セキュリティとコンプライアンスの強化…。運用管理での反復的な一連のタスクを自動化する「IT Automation(IT自動化)」は、我々に数々の恩恵をもたらしてくれる。インフラストラクチャ管理やアプリケーション導入などのプロセスのスピードと精度を高める取り組みは、デジタル時代の競争力の根源と言ってもいいだろう。
本書は、そのIT自動化について最新の状況を解説したものだ。問題意識の整理や実現へのステップなど多面的に構成しているが、中でも1ページ単位でまとめている以下6つのユースケースが分かりやすい。
・インフラストラクチャの自動化
・ネットワーク自動化
・セキュリティの自動化
・DevOps自動化
・ハイブリッドおよびマルチクラウドの自動化
・エッジでの自動化
組織にIT自動化を根付かせるには、人材とプロセス、そしてプラットフォームを考慮する必要があるという主張が一貫して述べられており、説得力がある。IT関連のフットワークを磨きたいと考えるリーダーには多くの示唆を与えてくれるはずだ。