ある調査によると、カスタマーサービスの一環として味わう「エクスペリエンス」に不満があれば約70%もの人が「ブランドを乗り換えると思う」と回答している。我々の日頃の経験に照らしてみても、対応が行き届いていて感動するシーンがある一方で、窓口のたらい回しや的はずれな回答ばかりで憮然とすることも少なくない。後者のような企業とは距離を置きたくなるのが当然だろう。
顧客対応の品質向上を願わない企業はないはずだが、現場がうまく回っていないケースは殊のほか多い。プロセスやシステムの連携が不十分なこと、対応チームがサイロ化されていて動きがチグハグなこと、などに要因がある。抜本から見直すことなく、テクノロジーと人員を増強しても、コストと複雑さが増すだけで悪循環を招くだけだ。
どうすれば理想形に素早くたどり着けるのか。これに答えるのが本資料であり、カスタマーエクスペリエンス向上とコスト削減を両立させることに主眼を置いたガイドブックになっている。「チャネル間でセルフサービスを最適化」「部門をまたぐオペレーションを自動化」などのテーマを設け、それぞれでAI活用の具体例などを挙げながら最新のアプローチを紹介している。市場調査に基づく参考指標がベンチマーク材料として随所に示されている点でも実務に役立つだろう。