日本企業の約8割が何らかのクラウドサービスを利用するようになり、もはやクラウドは当たり前の存在となった。ただし、クラウドに完全移行する企業は稀であり、多くの企業はオンプレミスを併用するハイブリッド戦略を採っている。さらに、マルチクラウド化も浸透しつつある。システム要件に合わせてクラウドを選択するだけでなく、今では一つのシステムをマルチクラウド構成で構築することも珍しくなくなった。

 

加えて、SaaS活用の高度化の動きもある。SaaSとSaaS、あるいはSaaSと自社システムをAPIで連携させ、業務の効率化(自動化)を図ったり、データから新たな価値を引き出そうとする試みが各所で進められている。

 

こうした企業のIT環境が複雑化した状況で懸念されるのが、セキュリティリスクの増大だ。さまざまなコンポーネントがインターネットを介して疎結合されるシステムでは、システム内の境界面が増え、それがそのままアタックサーフェス(攻撃対象領域)として狙われやすくなるからだ。

 

この冊子では、企業を狙ったサイバー攻撃の動向を解説するとともに、クラウド活用を推進する企業が取り組みべきセキュリティ対策について考察する。併せて最新のセキュリティソリューションも紹介する。企業のセキュリティ担当者はぜひご一読いただきたい。