日本で暮らす者にとって、アニメやマンガは極めて身近な、そして普遍的な存在だろう。動画配信サービスにおける人気は言わずもがな、映画興行収入ランキングでアニメ作品は常連。マンガは電子書籍の普及でグッと手に取りやすくなった。ジャンルに明るくない方であっても、CMで人気キャラクターを見かけたり、大ヒットアニメのテーマ曲を街で耳にしているはずだ。

 

「アニメやマンガは子供たちのもの」というイメージは、とうに過去のものとなった。コンテンツ産業における主要な立ち位置を確立。そして少子高齢化が確定的な日本において、外貨を稼ぐための貴重な資源・手段としての役割が期待されている。

 

そこで今回は、アニメ・マンガ産業について、おもに海外展開の観点から紐解いていきたい。輸出産業としての実力はどれほどか。そして政府戦略として再びクローズアップされた「クールジャパン」が狙うところは何か。官公庁や各種研究機関の調査レポートなどから探っていこう。