生成AIの導入は“全社展開する段階”へと急速に移行している。ファインディ株式会社が実施した調査(2025年)では、GitHub Copilot、Gemini、Claude、Cursor、Devinといった各種AIツールの利用率は半年で3~4割上昇しており、AI駆動開発はもはや一部の先進企業のものではなく、標準装備になりつつある。一方で、企業規模別に見ると、スタートアップと大企業の間で開発プロセスにおけるAI活用率に最大20%の差が生じており、AIの浸透が競争を分ける論点となっている。

 

しかしAI導入が進む一方で、多くの企業が共通の壁に直面している。同調査で「AI活用における最大の課題」を尋ねたところ、「定量的な効果計測ができない」(21.4%)が最も多く、次いで「導入後のオンボーディング・活用促進がうまくいかない」(14.5%)であった。現場では「開発スピードの向上」など定性的な手応えはあるものの、経営層への報告に耐えうるROIとして数値化はされておらず、AI投資判断などの意思決定は滞りがちとなる。また、チームや個人間におけるAI利用の浸透度合も把握されないケースも多く、組織全体への展開が阻害される。AI駆動開発組織が企業力に直結する時代において、企業経営の観点からも看過できない問題といえるだろう。

 

本書「AI活用の効果を『数値化』AI駆動開発組織への変革を加速させる実践方法」は、最新の企業調査データをもとに、企業のAI活用の現在地と直面している課題を整理し、課題解消への具体的なアプローチを紹介する。プルリクエストやイシュー、ミーティングといった日々の開発データを活用し、AI利用有無によるサイクルタイムの差、スループットの推移、チーム・個人ごとの利用状況までを可視化することで、AI投資のROIを定量的に経営層へ説明できるようAI活用の効果を「数値化」するとともに、機能イメージや活用ユースケースも交えつつ明確な解説が展開される内容となっている。AI駆動開発組織への変革を主導する開発責任者はもとより、経営層においても、自社のAI活用を一歩先のフェーズに進め、持続性を高める契機として、本書のご一読をおすすめする。