
現代のビジネスにおいて、テクノロジー活用があらゆる面で企業組織を強化することに疑いの余地はないだろう。DX(デジタルトランスフォーメーション)の潮流はデジタル技術の活用を手段に、ビジネス変革を促進してきた。近年では、特段に生成AIの進化が著しく、研究機関での活用のみならず社会課題解消に向けた実装など成果を上げてきている。当然、ビジネスにおいても大きなインパクトを以て注目されている。2025年後半にはGPT-5.2、Gemini 3、Claude Opus 4.5、Cursor 2.0が相次いで登場し、生成AIを“使う”“使わない”を議論する段階はすでに過ぎており、あらゆる業種・規模の企業が本格的な業務適用に踏み出している。
しかし、その一方で深刻な課題もある。ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)の調査によれば、AI投資で実際にビジネス価値を生み出せている企業はわずか6%。残り94%は、PoC(概念実装)に留まり、もしくは現場に浸透しないまま投資だけが先行している。原因はモデルの性能ではなく「前提(コンテキスト)の設計」「データ基盤の成熟度」「ガバナンスの欠如」という3つの土台が整っていない。さらにシャドーAIによるポリシー違反は月平均200件超(Netskope調査)、Gartnerは2030年までに企業の40%以上がシャドーAI起因のセキュリティ事故を経験すると警告する。AIを“どのように設計し、いかに統制し、どこまで任せるか”が問われる局面を迎えているのではないだろうか。
本書『2026年、生成AI活用は「第2フェーズ」へ』は、ThinkITとインプレス総合研究所が注目記事を抜粋・再編集したの実務ガイドである。本書内では、「コンテキスト設計」「AIエージェント時代のセキュリティ」「AI-Readyデータの要件と整備」「企業のデータマネジメント実態調査(170社)」という4本の記事を通じて、生成AIとビジネス活用の課題を明確にすると共に、成果を出している企業が共通して整えている3つの土台である「データ基盤・コンテキスト設計・セキュリティ」を体系的に整理する。判断の指針を摸索する経営層、AI推進のボトルネックに悩む情シス・DX担当者、自社の立ち位置を客観的に把握したいビジネスリーダーなど、設計と投資判断に直結する一冊となっている。広く本書のご一読をおすすめする。
