今日、生成AIは急速な進化を遂げており、企業におけるAI活用は“検討段階”から“AIをどれだけ早く、安全に使いこなせるか”へと移行している。業務効率化や高度な分析、顧客体験の向上、新たな収益機会の創出などAIがもたらす価値は、もはや無視できないレベルに達している。多くの企業の内部では各部門が個別にAI活用を模索し始めており、全社最適を見据えた戦略的な推進体制の構築が急務となっている。AIは単なるITテーマではなく、企業競争力そのものを左右する経営課題へと遷移している。

 

当然、ビジネスに求められるのは結果であり、経営層からは成果創出を期待されるが、企業におけるAIの急速な広がりは新たな火種になっている。各リーダーたちがAIの恩恵を急ぐあまり、シャドーITや連携されていない部門レベルのプロジェクトによって、独自プロジェクトは乱立し、データガバナンスやセキュリティ、コンプライアンスへの懸念を増大させる状況も散見される。CIOは、スピードとガバナンスという、本来両立しにくい二つの要求を両立させる責務を背負い、技術責任者としてだけでなく、AI変革を主導する経営リーダーとしての役割が強く求められている。

 

本書「CIOに課せられた使命:AI推進のリーダーシップ」は、CIOがおかれる状況を整理し、課題解消への実践をガイドする。本書では全7章にわたり、AIセンター・オブ・エクセレンス(CoE)を構築すべき理由から、生成AI活用の最新動向、請求書処理の自動化をはじめとする5つの実用的な成功事例、データの価値を守りながら最大化する方法とシャドーITの排除、そして人事・セキュリティ・ESGという3つの優先事項まで、CIOが押さえるべき論点を体系的に解説する内容となっている。また、こうしたAI戦略の実践にNetSuiteがどう寄り添えるかにも言及している。簡潔で適確な構成となっており、業務に追われる中でも自社のAI戦略を見直し、アクションに繋がる貴重な一冊となっている。特にCIO、ビジネスリーダーに本書のご一読を強くおすすめする。