昨今、自動運転などの広がりから、AI(人工知能)がキーワードとなるニュースがよく見受けられる。AIと聞くと、なにやら自動車業界やロボット工学分野ばかりが注目され、他業種や多くの一般企業のビジネスには縁遠いようにも感じられるのではないだろうか?。そもそも「AI」はもっとも包括的な概念であって、具体的な技術の呼称ではない。

 一方で、AIの要素技術である「機械学習」や「ディープラーニング」については、言葉として聞きおよんでいることと思われるが、内容については「よくわからない」という読者も多いのではないだろうか?。「機械学習」は特定の分野だけに特化した技術ではなく、「人が明示的に挙動を指示することなしにコンピューターに学習能力を与えること」(アーサー・サミュエル)と定義される。適した分野としては、顔認証、トレーディング、セールス/マーケティング、不正検知、などなど実に幅広い分野で活用される技術である。

 本書「機械学習入門」では、基本的な概念を解説するだけでなく、手法、活用事例、ホット・トピックスなども交え、広域に活用できる可能性をも掲げている。これによって業種業界を問わず、自社のビジネス効率の向上だけでなく、新たなビジネス創出のアイデアにも活用できる内容となっている。本書を一読され、「機械学習」の実務転用の礎としてみてはいかがだろうか。