「クラウド」は一般用語としても定着がすすみ、企業においては“概念”“思想”レベルからイノベーションの基軸と位置づけられ、実装・実務レベルへとブレイクダウンされている。

 しかし、多くの企業で「クラウド」の利用が常識化されてはいるが、自社内の運営や活用について、IT部門の意志決定者は常に頭を悩ましてはいないだろうか? パフォーマンス、キャパシティ、コスト、etcの視点から「今現在の自社のクラウドは、はたして適正に機能・運営されているのか?」という湧き起こる疑問は、明確な市場指標もなく、社内事情との兼ね合いも考慮せねばならず、解決どころか考査を推進することすら難しい状況下にあると思われる。

 本書では、「企業はクラウドに関して拡張性と制御のメリットを同時に得ることはできるか」という広大なテーマを掲げ、米国のIT部門の意思決定者500人を対象とした調査結果に基づいて、問題の考察を公開する。実数値に基づくクラウド運用の精緻な実態データとともに、相反する課題に対しての両立へヒントをも示唆している。「クラウド」はただ単に実装・運営する段階から、コスト・バランスもとりつつ、より高い領域での活用されるべき段階へと確実に進化している。本書を通じて御社のクラウドも次段階へとステップアップしてみてはいかがだろうか。