現代、我々が生活・経済活動を行ううえで、社会インフラから“当たり前”のように恩恵を受けてはいるが、その裏側には多くの技術と高度な運用があり、それらによって成立していることを忘れてはならない。

特に電力に至っては、多くの要素で変動する需要に対して、発電・送電・変電・配電の「電力系統」全体の状況を把握し、そこを流れる電気をコントロールしながら安定した「電力系統」の運用が要求される。加えて、日々巧妙・悪質化するサイバー攻撃の脅威からもシステムを守っていかなければならない。

本書は、首都圏エリアで電力供給を行う大手送配電事業会社である、東京電力パワーグリッド株式会社におけるセキュリティ対策を紹介する。経済・産業の中心地域において、停電回数0.06回/年、停電時間6分/年、送配電ロス率4.2%と世界最高水準の実績を誇る同社が、優先事項として取り組むセキュリティ対策に採用された「SilentDefense」のメリットや国内のサポートを含めた導入事例である。産業用システムの独自プロトコルへの対応や、正規の通信を基軸とする「ホワイトリスト方式」など、社会・産業を標的とするサイバーテロから生活・財産を守る、先駆的技術に触れてみてはいかがだろうか?