時代の変化とともに多くのビジネスが創出され、営業方法も多様化している。外的な変化はとどまることなく常に流動性を帯び、企業経営は的確な「判断と実行」をもって内的に進化させる必要がある。

さらに変化著しい昨今ではあるが、企業の求む“自社のあり方”は「安定して成長する」ことに重点を置かれることが多く、その傾向は時代に左右されない固定性を帯びている。ビジネスには常に相手が存在し、顧客との関係が重要であり、“BtoC”よりも“BtoB”、“物販”よりも“サービス・保守”が継続される関係の時間軸は、長くなる傾向が強い。

本書は、高圧受電設備の監視・点検業務を主とする企業が「顧客との良好な関係の強化・維持」に競争力への活路を見いだし、その取り組みをレポートする。実行においてはIT活用を柱に強化されていくが、要件の整理と定義、適切なパートナーの選定から導入・運営に至るまでを収録する。とかくIT活用においては「生産性」「効率化」にフォーカスされがちであるが、本書ではCRMにおけるIT活用ならではの「きめ細やかさ」を実感する、導入企業の“生の声”を収録する。顧客との関係においても「PDCAサイクル」を強く意識した運営を実現している。顧客への取り組みには王道はなく、持続性・実行性をともなった秀逸なシステムと「顧客関係性重視」の企業文化が必要ではないだろうか? 経営部門にとどまらず、BtoB企業に属する方にはぜひご一読頂きたい内容となっている。