データが貴重な経営資源であることに異論を挟む余地はない。これまで幾多の業務システムを構築してきた企業には、量も種類も膨大なデータが蓄えられている。それらは言うまでもなく“宝の山”。上手く利活用すれば、自社のビジネスを加速させることもできるし、市場に提供して対価を得る道も見えてくるはずだ──。しかし理論上は正しくも、いざとなると一筋縄ではいかない現実にたじろぐ企業は少なくない。

一つひとつのシステムを個別ニーズに最適化させる形で構築してきたが故に、他のシステムも含めてデータを後から集約・統合して使うという発想は盛り込まれていない。具体的には、データベースの構造のみならず、そこで使われている項目名や何を意味するものかといったことに一貫性がなく、横串を刺そうにも混迷するばかりで先に進めないのだ。かといって、各データベースの設計・構築をゼロからやり直すだけの時間も投資余力もない。これは今、多くの企業が頭を悩ませている問題といっていいだろう。

難題をクリアする方策の一つとして注目されるのが「膨大なデータのカタログ化」だ。データの所在や意味、流れといったものを既存システムに手を入れることなく可視化すると共に、目的に沿った形に整えるなどの役割を持たせて「高度なデータ活用の基盤」を創るアプローチである。本資料は、中古車検索サイト「グーネット」をはじめ幅広い事業を手掛けるプロトコーポレーションが、データの柔軟なハンドリングや厳格なガバナンスを念頭にカタログ化に取り組んだ具体例を詳説している。「データはあるはずなのに迅速に準備できない」との悩みに光明がさす内容であり、現実解を探る担当者に強くお勧めしたい。