顧客とその予備軍へのアピールは常に欠かせない。B2C、B2Bの隔てなく読者諸氏の企業においてもWebサイトを中心としたタッチポイント戦略に日夜腐心していることだろう。
近年の潮流はWebサイトの「多言語化」を実装する企業が増加中だ。越境ECやワールドワイドで商品やサービスを展開する企業は当然だが、国内に限定したビジネスを展開する企業であっても「多言語化」に進む企業が増えている。一見すると疑問にも思われるが、実は国内需要であっても十二分な意味をもつ戦略である。それは年々強まる少子高齢化傾向ゆえに国内消費の鈍化が予測され、日本人をターゲットとしたマーケットは絶対値として縮小傾向にあるからだ。一方で外国人労働者の受け入れも進み、在留外国人と「国際観光政策」による“インバウンド消費”の増加は目覚ましいが、国内展開の企業であっても“顧客の多様化”に合わせて“顧客に寄り添う”取り組みとして多言語化が望まれている。
本書は、Webサイト・アプリの多言語化サービスの紹介と多言語化と翻訳の課題などをレポートする。現在多言語展開を行っている企業で用いられる手法は「フルスクラッチ」と「外部サービス」に大別される。「フルスクラッチ」では翻訳者の属人性やプロジェクト管理の煩雑さのみならず、そもそも「コスト」が膨大になる傾向がある。一般的な「外部サービス」ではコストとプロジェクトは、管理は容易だが翻訳精度のコントロールや動的コンテンツなどでの融通性に乏しい現状がある。本書は元言語の運用に綿密に連動しつつ、コスト・バランスにも優れた多言語運用を実現できるサービス内容を収録する。広報宣伝活動の原則は「広く!多く!」といわれているが、多言語化は「広く!多く!」をまさに地球レベルで実現することといえよう。同サービスは「プランニング」「多言語化構築」「運用最適化」まで一貫してフルにサポートされるので心配は無用だ。多言語化について既対応・未対応のいずれの企業担当者も本書をご一読いただき、多言語化の最前線をつかんでみてはいかがだろうか。