企業が成長し業容拡大を続けると、ある規模に到達した際に、それまで支障なく回っていた社内業務にかげりが見え始めてくる。報告・連絡・相談、各種の伝票処理、現場の動きの把握といったことが思うように捗らなくなり、結果として管理が行き届かなくなってしまうのだ。幾つか例を挙げてみよう。

●請求や支払い、経費精算といった「お金の動き」に関することは、紙伝票や表計算ソフトなど現場で一時入力したデータを経理部門に紙ベースで回収して手で再入力。つまりは業務やデータが分断していた。事業規模が拡大すると作業負荷が高まり、単純ミスやチェック不行き届きが頻発するようになる。

●現場の日々の動き、ひいては企業としての収益性の見える化が後手に回り、直近の経営判断や先々の資金計画で適正な意思決定を下せなくなる。社内に不信感が生まれて求心力が失われていく。

●業務上、辻褄が合わないことや腑に落ちないことが発生した際に、原因を突き止めようとプロセスを遡ろうにも、担当者の記憶が曖昧だったり記録が徹底されてなかったりで行き詰まってしまう。

こうした諸問題を根本から一掃するにはどうしたらよいのか。ここで紹介する資料は「発生源入力」「インプットコントロール」「シングルインプット」「アクセスコントロール」という4つのルールを挙げながら、あるべき業務プロセスと、それを支えるシステム像を分かりやすく解説している。目指すべきはシステム連携による一気通貫のフローを実現し、ペーパーレスや人的ミスの抑止につなげることだ。月500件の請求がある会社において、 のべ92時間を費やしていた一連の処理が1時間で済むようになったという劇的な改善報告もある。生産性向上と内部統制徹底の両立に思いを巡らせるビジネスリーダーに特にお勧めしたい。