昨今は新型コロナウイルスの暗雲が世界を覆っているが、元来世界は常に多くの課題を抱えている。ビジネスだけではなく、日常生活におけるコミュニティ、紛争、地球環境にいたるまで、関わりの範囲や事の大小に関わらず人類は難題・課題と対峙することで進化と発展の歴史を繰り返してきた。

各所で推奨されるデジタルトランスフォーメーション(DX)においても2004年に発せられた原初形態は「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と定義されている。つまり技術はあくまで人間中心に展開されるべきといえる。企業がマーケーティングスイートなどを導入すれば達成されるほど単純なものではなく、核心は人が直面する課題を乗り越えていくことにあるのではないだろうか? 近年のテクノロジーの進化に目を向ければ、自動運転車に代表されるとおりAI(人工知能)を用いた開発が活性化している。AIという言葉は、DXと同様にやや拡大解釈や乱用される傾向が散見されるが、機械学習(ML)やディープラーニング(DL)を包括する概念に過ぎない。読者諸氏におかれては近未来のSF的技術と感じることはないだろうが、一般的には一部のデベロッパーや研究機関に限定された高コストで高知識を要する敷居が高い技術と捉える向きも多い。

本書は、様々な分野の課題に対して機械学習を適用させ、解決に向けた導入事例を紹介する。事例は「持続可能な未来を構築する」「より多くの人々の救済的機会を創出する」「従業員の安全を守る」「健康状態を改善する」「生活をより良く変化させる」の項目から9つのリアルなユースケースを収録する。いずれもITに特化・成熟した企業ではなく、気象研究やホームレス支援組織など実に多様な内容となっている。すべてAWS machine learning(アマゾンウェブサービスが提供する機械学習)を新たな方法で活用し、難題・課題に挑んだドキュメンタリーである。ともすれば技術的な視点でのみ語られることの多い機械学習であるが、真摯に課題と向き合う姿勢から解決の手立てとして機械学習に到達し、人と技術の良好な、あるべき関係を示す好事例といえる。ビジネスに限らず多くの方にぜひご一読いただきたい内容となっている。機械学習の門戸は広く開かれており、本書を契機として、ビジネス・個人を問わず課題と対峙してみてはいかがだろうか。
 


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