ビジネスは、顧客の存在なくしてはなり立たない。企業にとって顧客は現時点での資産でもあることはいうまでもないが、「顧客未満」のリードも企業の将来を拓く重要な要素であり、顧客の原石ともいえる。

 

特にBtoBのビジネスは、顧客との取り引きが長期化する傾向を有し、メンテナンス型の営業活動が欠かせないものとなっているが、差違はあるものの顧客もリードも流動性を帯びていることは忘れてはならない。優秀な人材を抱える営業部門であっても、顧客側の事情なども含めた諸々の事情から、顧客の喪失を完全に防止することはできないだろう。そのためにマーケティング活動は企業の将来性を担う要所となり、新規開拓やリード獲得に多くの企業が心血を注いでいる。かつてはプッシュ型の手法も採られていたが、需要を持たぬ相手に自社の製品・サービスを推すのは迷惑に近い行為でもあり、何よりも非効率だ。BtoB企業であれば、ブランドイメージを永年にわたって失墜させる可能性もある。ゆえに現代のマーケティングはプル型の手法が大半をしめており、コーポレートサイトやプロダクトサイトなどのオンライン施策だけでなく、展示会やセミナー開催などリアルでの活動も効果が高い項目として活用されている。しかし新型コロナウイルスの影響から展示会は中止となり、自社セミナーを開催しても安全性に課題は残り、ユーザーの足も遠のく今日である。

 

本書は、BtoB企業のセミナー運用に特化した管理システムを紹介する。前述のとおり、リアルの自社セミナーを開催しにくいタイミングにあるが、自社の知見を十二分にアピールし企業・ブランドイメージを向上させるセミナーのリード獲得効果も捨てがたい。そのためオンラインでのウェビナーに切り替え、リアルのセミナー開催時以上に積極的に取り組む企業が増加している。その反面、開催本数の増加や慣れないウェビナーのオペレーションに負荷を募らせる運用部門の声も多く報告されてきた。本書では、「Sansan Seminar Manager」を俎上に機能を紹介し、ウェビナーにも強みを発揮する利点にフォーカスを当てている。募集ページの作成から事前事後のメール自動配信などの機能は、運用をシンプルにするだけでなく、市場からの信頼も厚い同社の法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」をはじめとする各種ツールやシステムへのデータ連携も可能とし、開催後のアクションや成果に優位に働くことはまちがいないだろう。新型コロナウイルスをきっかけとして突如発達したウェビナーではあるが、リアルセミナーの利点とオンラインの手軽さを併せ持つことからもこの潮流に乗るべきである。本書をご覧いただくことで、ウェビナーの効果を最大化させるヒントが見つかるだろう。