デジタルテクノロジーの活用があらゆるビジネスに拡大して久しい。ワープロなどのオフライン端末から、オンラインのPCに進化し、やがて社員ひとり1台のPCがあたりまえになった。この頃から企業組織のセキュリティ意識も急速に高まってきた。

 

現在ではビジネスばかりでなく、社会、一般生活に至るまでデジタルの介在なくしては円滑に物事は進まず、同時に企業にもセキュリティ概念が十二分に浸透しているといえる。しかし脅威は絶えず高度化・巧妙化を日々繰り返し、セキュリティ概念に基づいて展開した施策や社内に根付くセキュリティ意識は今日に即しているだろうか? 交通インフラを例にとれば、馬車から自動車に進化し、交通事故、渋滞、環境問題など利便性の向上とともに新たにあらゆる課題が噴出した。テクノロジー進化や利用シーンに合わせたサービス提供で課題に対応し、自動運転、環境性能、サブスクリプションなど固着観念を持たない進化がある。馬車の概念で現代の交通インフラを語るのはナンセンスだ。企業ビジネスの根幹を担うITインフラやデジタル活用ともなれば、発展は猛烈であり、旧来のセキュリティ概念に固執すれば企業の存在自体が危ぶまれる。

 

本書「クラウド時代のセキュリティ3つの課題」では、今日の企業に求められているセキュリティを傾向とともに分析し、セキュリティ施策における課題と解決法について紹介する。本書では調査白書『情報セキュリティ10大脅威』をとりあげ、10年(2011年、2021年)を対比して高度化するセキュリティ脅威を指摘し、変化の根源を「オンプレミス全盛時代」から「クラウド時代」への推移とする。また、新型コロナを契機に実質的に広がったテレワークがセキュリティ施策をさらに複雑にする。昨今ではクラウド時代のセキュリティとして「ゼロトラスト」が提唱され、従来の概念を刷新する施策が望ましいが、具体的にセキュリティ体制を構築するには起点すら設定が想起しにくいのではないだろうか。本書では、まずおさえるべき3つのポイントを解説し、ビジネスシーンで最も活用される「Microsoft 365」のセキュリティ強化を事例に、実現性を持ったクラウド時代のセキュリティを提案する。簡潔かつ明瞭に展開される本書をダウンロードいただき、時代に即したセキュリティ概念の社内拡散にも、是非ともご活用いただきたい。