エンジニアにとって最大の悪夢、それは「プロジェクトの失敗」であろう。もちろんITシステム開発は極めて複雑で、技術的難度はそもそも高い。エンジニアには常にスキル向上が求められるし、加えて発注側・受注側のどちらにも利害関係者が多いため、途中で開発方針が大きく変更され、それが尾を引いて失敗に至りもする。悲しいかな、これが現実だ。

 

とはいえ、失敗を少しでも減らそう、防ごうという努力は少しずつ身を結び始めている。統計調査などの結果を元に、プロジェクト失敗の動向を詳細に解説しているのが本書だ。おもなトピックは以下の通り。

 

●プロジェクトの成功率はここ数十年でどう変化したのか
●プロジェクトの規模が成功率に与える影響
●失敗の原因と、それに対する方策とは
●対策としての「工程QA」「見積もり審査会」「リスク標準」

 

開発の最前線で日々業務に勤しむエンジニア、そしてエンジニアに開発を依頼する関係者にも是非読んでいただきたい内容となっている。品質・コスト・納期などあらゆる面で満足いくプロジェクトにするためには何が必要なのか? それを考えるきっかけとしてご活用いただきたい。