ゼロトラストを前提としたセキュリティ対策の起点として見直されているのが認証管理基盤だ。組織に内在するエンティティ(ヒトやモノ)が種々のリソースへのアクセスを必要とする時に、それが正当であれば妨害することなく認める手順を、デジタルの仕組みで支援する。

 

もっとも、認証がきちんとできていれば安心という短絡的な話ではない。IDそのものが正しく運用されているかどうかが重要だ。人の異動や退社といった、エンティティのライフサイクルにIDも連動させることを怠ってはならない。またIDに紐づくアクセス権についても、可視化と最適化は常にセットだ。割り当てられているアクセス権が妥当性を欠いていると大きな問題に発展する可能性がある。とりわけ、RootやAdminを筆頭とする特権IDについては最大の注意が必要だ。

 

運用の煩わしさは「形骸化」と常に背中合わせ。最初のうちは頑張って対処できていても、疲弊が募ると、やがて手に負えなくなるものだ。幸い、昨今は認証管理にかかわるソリューションが充実し、機能にはさらに磨きがかかっている。それらの中身を理解し、自社の実情にフィットするものを積極的に活用することが、デジタル時代を見据えた持続的成長の礎となる。ここで紹介する「認証管理完全ガイド2023」を手にとって、ぜひ具体的アクションを起こして頂きたい。