デジタルは物事を効率化してきた。そしてデバイス単体の高性能化や小型化だけでなく、繋がることでさらに多くの利便性を見出している。スマートフォンを例にすれば通話やアプリケーションのみならず、コントローラーやインターフェースとしての役割も、ネットワークに接続されることで担っている。

 

オフィスやオフィス外を含む現代の業務環境に目を向ければ、スタンドアローンのデバイスではもはや仕事は成立しない。また固定したユーザーに紐付かないデバイスも確実に増えており、IoT(モノのインターネット)デバイスが公共サービスや医療分野は言うに及ばず、オフィス所在地のビルオートメーションにも深く浸透している。IP電話や近年需要の高まる会議室テクノロジーなどオフィスで接続されるモノは増え続け、製造業やインフラで利用されるハードウェアを最適に制御するためのOT(Operational Technology)の採用も進んでいる。IoTとOTはネットワーク上にも組織内にも急激に増殖し、多くの利便性向上・効率化に貢献しているが、ネットワークに接続されるということはサイバー攻撃者からは格好のターゲットが増えていることも意味する。

 

ネットワーク接続されるプリンターは把握できていても、その他のIoTデバイスにはどうだろうか? リモートワークを契機として話題にのぼる在宅業務のエンドポイントのセキュリティ課題があるが、IoTデバイスの流入によって生じたセキュリティ課題についても是非とも留意していただきたい。本書では、今日のエンタープライズにおけるIoTセキュリティの課題を分析・提起し、IoTおよびOTデバイス保護の基盤となるアプローチ概念を示す。さらに本書は踏み込み、組織がIoTセキュリティに取り組む上で必須となる「5つの必要な機能」について簡潔明瞭な解説を展開する。ビジネスにセキュリティが重要なことは、誰もが認知している。しかし攻撃者は僅かな隙間でも貴社の財産やビジネスを脅かそうをしており、既知だけでなく未知の脅威にも向き合わなければならない。本書をご一読いただき、全方位に保護強化を推進されることをおすすめする。